ESPRESSO Vol.26


熊本にはまだ、知られざる数多くの「心地よい空間」が存在していることをご存知でしょうか?熊本に住みながらこんなに心動かされる豊かな空間が散在しているとは、今回の特集を手がけるまで、お恥ずかしいことにあまり知りませんでした。

建築や空間に興味が無い人でも熊本に住んでいれば「くまもとアートポリス」という言葉をどこかで聞いたことがあるかと思います。しかし、実際に意識をして足を運んだことのある人はまだまだ少ないのではないでしょうか。
この機会に空間の見方、感じ方、楽しみ方を知ることから始めてみてはいかがでしょうか。きっと自宅や職場の空間にも日頃気付かなかった新しい発見があるかもしれません。
建築・デザイン文化の秘めた「力」を生かして、日常生活を、そして熊本をもっと元気に、豊かに感じてみませんか。今回の特集「心地良い空間」がそのヒントとなれば幸いです。

【特別インタビュー】
建築家・くまもとアートポリスコミッショナー 伊東豊雄

壁で区切らず、身体で感じる建築と空間

伊東さんが設計した台湾の大型公共オペラハウス「台中国家歌劇院」。有機的な三次元曲面(カテノイド)などが特徴コロナ禍によりニューノーマルな生活が進む中、以前と比べ家で過ごす時間が増えてきた。家は癒しの空間である一方で、仕事空間としての一面も表出してきた。いずれにしても生活空間としての〝心地良さ〟が求められる状況だ。空間の心地良さやニューノーマルな建築の方向性について、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー建築賞を受賞した建築家で、「くまもとアートポリス」のコミッショナーを務める伊東豊雄さんに話を聞いた。

【特別インタビュー】
熊本大学大学院教授・建築家 田中智之

骨格×現象=心地良い空間

「タナパー」として知られるペン画を描く田中先生熊本駅周辺や花畑広場、シンボルプロムナードを含む桜町・花畑地区などの都市空間デザインにも携わる建築家で熊本大学大学院先端科学研究部教授の田中智之先生。柔らかな曲線や、かすれるほど細く時にはにじむほど力強い直線、都市空間や建築物を描いた青いペン画、通称「タナパー」でも広く知られている。心地良い空間の見方や感じ方、これからの建築・空間の役割などについて聞いてみました。

【心地良い空間への旅】
―熊本県立美術館―
建物と環境が共生する空間 日本モダニズム建築の旗手 前川國男 晩年の傑作

有明海の夕陽をイメージしたロビー壁面(左)、天井のワッフルスラブ(格子梁)からは「成層圏ブルー」と呼ばれる前川國男独特の青、そして窓越しに広がる熊本城周辺の緑が広がる

建物を囲うように配置された木立の隙間から、焦げ茶色のレンガの建物がのぞく。「熊本城が主で、美術館はそれに従う」とした設計思想の下、1976年に完成した熊本県立美術館は、その言葉通り周囲の風景に溶け込み落ち着いた佇まいを見せている。
日本モダニズム建築の礎を築いた建築家・前川國男(1905‐86)晩年の傑作と呼ばれている同美術館。その外観は、多くの有名建築作品が見せる個性的な表情とは一線を画し、周囲との調和図ることに重きを置いた、控えめで、抑制の効いた印象を感じさせる。
建物と環境との共生を目指した前川建築の到達点と称される所以だ。
完成から40年を経た今も、多くの建築家に影響を与え続け、見るものを魅了し続ける作品の魅力に触れてみたい。

【心地良い空間への旅】
―浜田醤油―
うさぎカフェで味わう隈研吾
建築の力で蘇った醤油蔵

歴史を感じる大きい梁の間には隈さんがこだわったという照明が灯る「うさぎカフェ」熊本で建築とスイーツを一緒に楽しむならここ「うさぎカフェ」へ。ウサギとふれあうカフェ・・・ではなく、実は新国立競技場を設計した隈研吾さんがリノベーションを監修した浜田醤油の蔵内にある、建築とスイーツを楽しめる贅沢なカフェだ。

隈研吾さんの特徴である「和」とモダンが融合した空間とほのかに香る醤油のにおいを感じながら「うさぎカフェ」を訪ねてみた。

【住まいの空間】Special presents
新産住拓/東宝ホーム/村田工務店/Lib Work/アクタス/Y’s DAY/時計の大橋


【阿蘇観光特集】
彩りに染まる阿蘇の旅
「I’m fine! ASO」
ニューノーマル時代、新しい阿蘇観光のカタチ
アクティビティ/ワーケーション/「記憶の回廊」震災遺構/アニメツーリズム

熊本地震から4年半。2020年8月8日のJR豊肥本線の全線開通に続き、10月3日には国道57号北側復旧ルートおよび現道部も開通、さらに2021年3月には国道325号に新しい阿蘇大橋も開通を予定しています。これらのアクセスルートの開通により、阿蘇がどんどん近くなっています。熊本県・(公社)熊本県観光連盟では、熊本地震からの阿蘇の復興と、アクセスルートの開通効果を最大化するための観光キャンペーンを展開しています。キャッチコピーは、「I’m fine! ASO」~「熊本地震からの復興により阿蘇は元気であることを伝えたい」、「遊びに来た人には疲れた心を癒して元気になってもらいたい」という思いが込められています。
今回、本誌「espresso」26号では、熊本県のご協力により復興へ歩み続ける「阿蘇」を特集しました。阿蘇の雄大な自然を活かした体験型の観光アクティビティの数々。カルデラツアー、阿蘇アドベンチャートラック、ホーストレッキング、阿蘇 天空のヨガ、ヘリコプター阿蘇遊覧、ジオパーク・オーダーメイドプラン、熱気球体験 ・・・。
特に新しい旅行スタイルとして注目されている仕事と余暇を組み合わせた「ワーケーション﹂」。熊本県が阿蘇市で民間企業と地域の観光産業と連携し実施したワーケーションの実証実験の模様を密着取材、観光アクティビティと組み合わせたニューノーマル時代の観光を探ります。
さらに、教育旅行先として整備が進む旧東海大学阿蘇キャンパスの震災遺構「熊本地震震災ミュージアム」、 「ワンピース」などと連携して、新しい角度からのくまもとのファンを開拓し、アニメツーリズムを開発していく熊本観光の新しい取組みも紹介します。(熊本県観光サイト

【ASO特別インタビュー】
阿蘇モビリティツーリズムPR大使 レイザーラモンRG
バイクの聖地、阿蘇へ G O !

阿蘇エリアでの移動を楽しむモビリティツーリズムの振興とバイクの聖地、阿蘇を目指して発足した「阿蘇モビリティツーリズム」。毎年数千台のバイクが阿蘇に集結する恒例のイベント「ピースライド」も新型コロナウイルス感染拡大防止のため、やむを得ず開催中止となった。そこでピースライドでは、オンライン形式によるイベントとしてSNS投稿を呼びかけ、阿蘇7カ市町村のどこかでバイクと一緒にピースサインで撮影したライダー自身の写真を投稿し、バイクで阿蘇を盛り上げた。
今回様々なバイクイベントが中止となるなか、阿蘇を盛り上げようと、バイク大好き芸人として広く知られ、20万人以上のフォロアーを持つレーザーラモンRGさんが阿蘇モビリティツーリズムPR大使として11月14日、阿蘇をバイクで駆け抜けて阿蘇の魅力を発信した。
開通したばかりの国道57号北側復旧ルートを走った感想や熊本への想いなどについて、ツーリングのチェックポイント「ひばり工房」で、美味しいステーキを頬張るRGさんに話を聞いた。

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Other Contents

【ヒューマンヒストリー Vol.2】
マスクで着替えるメイク
フィシャルなマスクメイクと遊び心満点のマスクメイク

マスクを着けた時のメイクのポイントや、マスクを着けた後のスキンケアについてプロのヘアメイクアップアーティストに話を聞きました。いつもよりちょっと贅沢なスキンケアにオススメのクリームやローションなども紹介しています。

【熊本歴史逍遥 第7回 番外編】
温故知“戒” 漫ろ走り~熊本自然災害概観

阿蘇二重峠山手の外輪山から見た雲仙普賢岳夕景。昼間は遠くに霞み距離を感じる雲仙だが、夕暮れ時にはシルエット姿でグイッと熊本に近づく。有史以降国内最大の火山災害をもたらした山の夕暮れは美しい東日本大震災の巨大津波の映像は息を呑んだ。熊本地震では机の下に閉じ込められ必死で外に這い出した。令和2年7月豪雨では球磨川の濁流に目を見張り、9月の〝超大型台風〟接近には正直ビビってしまった。近年、自然災害を身近に感じるようになった。歴史を振り返れば、箴言(しんげん)の如く自然災害は忘れた頃にやってきて人間に痛い目をみせている。今後、遭遇するかもしれない災害に備えるために、過去を振り返ることには意味があるようである。熊本の自然災害の跡を〝バイクで逍遥〟してみた。