駅員って早死にするって本当?
駅員って検索したら「早死」が候補に出てきた!
日々忙しい生活を送る駅員。
酔客から怒鳴られ、異常時にびくびくして、立ちっぱなし、はたまた狭い空間で座りっぱなしの泊り勤務。
もちろんやりがいを感じるシーンもたくさんあると思うが、体力面・精神面の両方ですり減っているなと思ったことは一度や二度ではないだろう。
この記事では元JR総合職の筆者が駅員が「早死にする職業ランキング」何位に位置しているか、駅員の働き方のリスクや実体験について口コミや事例を交えながら解説していく。
後半にはこういったリスクを少しでも回避する方法を書いた。
駅員として働くことに疲れた人や不安に感じている人は読んでみてほしい。
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「早死する職業ランキング」駅員は何位?
早死にする企業ランキングと呼べるようなランキングについては2013年の日刊SPA!、海外の「最も危険な職業」に加えて個人ブロガーが解説するランキングが参考になった。
「早死にする職業」の定義もそれぞれに記載されているため、それらまとめて紹介する。
結論を言えば、今回紹介する早死にする職業ランキングに駅員はランクインしていない。
早死にする職業ランキング (日刊SPA!)
【早死にする職業ベスト10】 1位 大手広告代理店の営業 2位 IT企業の下請けSE 3位 チェーン飲食店店長 4位 若手官僚 5位 病棟勤務の看護師 6位 タクシー運転手 7位 LCCの客室乗務員 8位 自衛官 9位 公立学校の教員 10位 トラック運転手
参照:日刊SPA!
この記事によると、職業が寿命と関連する要因として「裁量権の有無」「過重労働・暴飲暴食」を挙げている。
自分で自分の仕事をコントロールできるほどストレスが低く長生きする傾向がある。
さらに深夜残業や徹夜が当たり前の仕事や接待・営業での過剰飲酒といった要素が早死ににつながるとして、これらの仕事をランキングに連ねているようだ。
最も危険な職業ランキング (海外記事)
- Logging workers (林業労働者)
- Aircraft pilots and flight engineers (パイロット・フライトエンジニア)
- Roofers (屋根工)
- Iron and steel workers (鉄鋼作業者)
- Truck drivers (トラック運転手)
- Farmers and agricultural workers (農業従事者)
- Fishing workers (漁業労働者)
- garbage/waste collectors (ごみ収集・廃棄物処理作業者)
- Construction workers (建設労働者)
- Miners (鉱山労働者)
この記事では、世界で最も危険なトップ10の職業を紹介し、安全対策の重要性を強調している。
林業労働者、航空機のパイロットや屋根工、トラックドライバーなどランキングに入った職業のリスクを詳しく説明し、安全対策のヒントを提供している。
肉体的・精神的な要因による早死にというよりは単純に危険度の高い仕事についてのランキングとなっていることから駅員が入る余地はないものの、死因やそのリスクを防ぐ方法についての記述があり参考になる。
早死にする職業ランキング (個人ブロガー)
- 零細企業のSEやプログラマー
- 広告代理店営業
- タクシー運転手
- 外食産業の雇われ店長
- エリート官僚
この中にも駅員や電車の運転士といった職業は入っていない。
早死にする・寿命が縮む職業の共通点や特徴として以下の条件を挙げている。
・体や心に負担のかかる仕事
・長時間同じ姿勢を強制される
・長時間同じ作業を強制される
・自己裁量が少なくノルマや納期が厳しい
この中で「タクシー運転手の仕事」は駅員が苦しむ早死に要因とかなり合致しているように感じる。
例えば出札担当の仕事であれば「座りっぱなしの仕事」からくる閉塞性動脈硬化症、腰痛といった身体的問題。
改札担当やホームの輸送担当であれば酔っ払いや異常時トラブルの対応によるストレス。
早死にランキングに駅員ははいっていないくとも、これらの職業と重ね合わせると合致する要因があるのも理解できるだろう。
駅員として働く早死にリスク要因とは
駅員は職業別の早死にランキングには入っていないものの、精神的・身体的リスクを伴う職種であることは疑いようもない。
- 夜勤・泊り勤務といった不規則な勤務時間
- ミスの許されない案内、現金取り扱い、駅運営のプレッシャー
- 人身事故や天災といった異常時対応のストレス
- 目の前の顧客や乗客対応に伴うストレス
「不規則勤務」と「過度なストレス」に集約できる、このような駅員の早死にリスク要因について調べてみた。
夜勤・泊り勤務といった不規則な勤務時間
不規則な勤務スケジュールは、睡眠障害や慢性的な疲労、さらには心血管系の疾患につながるリスクがあるとされている。
例えば国際がん研究機関(IARC)、世界保健機関(WHO)の専門機関は2007年に発表した研究で夜勤を「がんのおそれがある」とするグループ2Aに分類した。
生物学的リズムの乱れ、メラトニンの生成低下を主因とした長期間にわたる夜勤が、乳がんのリスクを高める可能性があるというエビデンスに基づいている。
当然不健康な食生活、運動不足、そして睡眠障害が心血管系に悪影響与えることから、高血圧や心臓病のリスクを高める要因ともなる。
異常時・顧客対応やミスの許されない仕事
長期間にわたる高ストレス環境は、不安障害、うつ病、燃え尽き症候群などの心理的健康問題を引き起こす可能性がある。
ミスが許されない職場では、失敗への恐怖がこれらの状態を悪化させる場合も。
このような過度なストレスは、心理的健康問題のみならず身体的健康問題にも関連する。
ストレスホルモン(コルチゾール)が常に高いレベルにあることで免疫システムの機能低下、高血圧、心血管疾患といった体への悪影響があるという。
駅員は「8分寝坊しただけで昇進が消える」「駅のシャッターを開け忘れたら即プレス」のプレッシャー。
駅員が感じる心身への影響:本音と現実
それでは実際に働いている駅員は、このような勤務についてどのように感じているのか。
SNSや口コミサイトを探してみた。
今まさに駅員としては働いている人は同じような感想を持ったのではないかと思う。
SNSでは駅員・元駅員がストレス・激務・不規則時間を背景に「早死に」しそうだとの感想を述べている。
口コミサイトでも同様。
多くの社員の退職理由に、勤務時間や仕事のストレスによる過労の色が見て取れる。
地下という特殊な空間で仕事をするので精神的に疲れてしまう。何も考えず感じず仕事ができる人には検討する価値は十分あると感じる。神経質な人にはお勧めしない。なぜなら職場で精神病で違う仕事をしている社員が多くみられるから。
参照:openwork
\ 各社駅員の働く環境を知りたい方はこちらも! /
駅員早死にリスクを減らすためにできること
紹介してきたような不規則勤務、ストレス、激務と言った早死にリスクのある要素について、改善策を提案する。
筆者自身も現場勤務時代、慣れるまでの間はかなり心身ともに疲労がたまっていたが、生活習慣を改善することで泊りでも日勤でも安定して力を発揮できるようになった。
現場経験があるからこそわかる細かなアドバイスも入れてみたのでぜひ見てほしい。
すべて一気にできるとは思わず、一つ一つ小さなできることから取り組んでいこう。
寝不足・食生活の改善
- 睡眠スケジュールの確立
- 質の高い睡眠環境の整備
- 勤務時間中の仮眠
- 健康的な食生活の維持
睡眠スケジュールの確立
不規則勤務が当たり前の駅員であっても、可能な限り一定の睡眠スケジュールを守ることが重要。
まず仕事のない日は極力同じ時間に寝て、起きるように心がけよう。
その上で少しでも泊り勤務の睡眠時間を確保できるよう、以下アドバイスする。
・夜終業後は同僚と談話せずすぐにシャワー、そして就寝
・喫煙者でも寝る前は喫煙所に行かない
・泊り明けの日に昼から寝すぎない (夜の睡眠を大事にする)
・泊り明けで極力飲み歩かない
泊り明けの日は「前日の仮眠と明けの昼寝を合わせて6-7時間」にとどめておくと夜また眠気が訪れる。
質の高い睡眠環境の整備
平均すると4-5時間寝られれば良い方な泊り勤務の睡眠。
この睡眠の質を少しでも高めるためには静かで暗い環境が大事。
定刻自動起床装置に任せて、耳栓やアイマスク (疲れているときはめぐりズムなど)を使用して、集中して寝られるように気を付けよう。
・アラームは起床時間に一回のみ。あとは起床装置に任せる
・アラームは切りのいい時間・分ではなく、4:52などあえて複雑な時間に設定
・耳栓・アイマスクを活用する
・寝る前にスマホを見ない
勤務時間中の仮眠
勤務時間中は何度か数十分から一時間程度の休憩がある場合が多い。
多くの社員はスマホや同僚との談笑を楽しむが、昼から夕方の休憩時間には15分程度で良いから仮眠を挟むこと。
仮眠の効果はネットで十分すぎるほど出回っているが具体的にはこのような効果がある。
・注意力、記憶力、決断力など認知機能の向上
・睡眠不足の補填による身体と脳の回復
・ストレスホルモンレベルを下げリラックス状態促進
健康的な食生活の維持
不規則な勤務による食生活の乱れを防ぐため、極力健康的な食事を計画するべきだ。
当時コンビニ弁当や立ち食い蕎麦、総菜パンばかり食べていたお前が言うなと言われそうだ!
PFC (タンパク質、脂質、炭水化物)やカロリー管理を徹底的にやれ!というわけではないが、やはり加工食品やファーストフードに頼ると明らかに体が疲れやすくなり、それらの食品に依存しやすくなる。
おにぎりだけは家で作って持っていく、毎回サラダやヨーグルトを追加するといった小さな努力も、長い駅員人生の中では健康への大きな資産となる。
ストレスやプレッシャーへの対策
- 定期的な休息とリラクゼーション
- 適度な運動の継続
- 友人・家族との会話
続いてミスが許されない仕事や異常時・トラブル対応で抱えるストレスやプレッシャーへの対策だ。
定期的な休息とリラクゼーション
仕事の休憩中や休日には、リラクゼーションの時間を確保しよう。
瞑想、ヨガ、読書といったストレスを軽減する活動に時間を割り当てることをおすすめする。
特に読書は1日6分間の読書がストレスや不安の緩和に効果的であることが明らかになっている
何か始めたいけどよくわからん!という方はとりあえず興味のある本を1日6分だけでも読んでみたり、起床後や寝る前に瞑想BGMを聴いてみたりするのがおすすめ。
適度な運動の継続
定期的な運動はストレスを軽減し、心身の健康を促す。
週に数回、朝日を浴びながら軽いウォーキングやジョギングなどをするだけでもメンタルが回復してくるのが実感できるはずだ。
筆者も入社1年目の夏頃からスポーツジムに通い筋トレを習慣にしていた
友人・家族との会話
今抱えている悩みや自分の考えを話すことはストレス・プレッシャーの緩和に非常に有効な手段。
人と会話することで生まれるメカニズムから以下のような効果が得られる。
・感情の共有と発散 (カタルシス)
・社会的サポートの感覚
・問題解決の促進
・緊張緩和とリラクゼーション
同僚同士で愚痴を言うこともこのような効果を持っており、一定の理由があるのだ。
とはいっても、今の苦しみや不安を周囲の人に話しづらい場合もあるだろう。
特にキャリアをどうしたらいいか悩む人は、自分ひとりで悩み抱えることになり不安が払しょくできない。
キャリアカウンセリングのようなサポートを躊躇なく使ってみることをおすすめする。
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筆者も二回目の転職前に無料相談したが、霧が晴れるような感覚を受けた!
職場・業務環境の改善
激務に悩む駅員も多いだろう。
ある駅員は「泊り勤務」「泊り明けの仮眠から再度泊り勤務」といったかなり過酷な業務体系に疲弊するという。
また他の駅員は泊り勤務が終わった後、半強制的に研修を受けさせられることが多発していると嘆く。
世の中はテレワークやフレックス勤務といった自由な働き方が当たり前となっているのに、なぜ自分だけというような経験をした場合、会社・組合に対して厳しい状況を伝えていくべきだ。
今は幸い転職会議などの口コミ媒体で他社がどのような勤務体系か知ることができる。
こういった事例を鉄道会社間で共有し、現場の働き方を改善する機会があってもよいと思う。
解決しない場合、転職も視野に入れる
駅員として働くことに誇りや憧れがあっても、早死にリスクが回避できない職場・会社である場合、心身の不調をきたしてまで働くのは賢い選択ではない。
筆者自身も新入社員時代は一生この会社で終えるだろうなと思っていたが、気づけば2度も転職し、海外駐在するほどに大きなキャリアチェンジやキャリアアップを繰り返してきた。
もし少しでも鉄道会社で働き続ける不安があれば、なるべく早いうちに行動した方がよい。
得られるスキル・使えるスキルが限定されていることが理由
以下の情報も参考にしてみてほしい。
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駅員は「早死する職業ランキング」何位?【まとめ】
今回は駅員が早死にする職業ランキングに入っているのか、早死にするリスクは何なのかという点で記事を作成した。
駅員としては早死にランキングに入っていない。
しかし、紹介したリスク要因を考えれば駅員が早死にと言われる理由も理解できたのではないかと思う。
- 夜勤・泊り勤務といった不規則な勤務時間
- ミスの許されない案内、現金取り扱い、駅運営のプレッシャー
- 人身事故や天災といった異常時対応のストレス
- 目の前の顧客や乗客対応に伴うストレス
リスク要因に対しては、睡眠や食生活といった日々の生活の小さなことから改善していくことが重要と述べた。
- 睡眠スケジュールの確立
- 質の高い睡眠環境の整備
- 勤務時間中の仮眠
- 健康的な食生活の維持
筆者の経験談をもとにした、かなり細かな点まで解説した。
一つでも取り入れて早死にリスクを避ける、必要があれば転職も視野に入れることを実践してほしい。