【寄稿シリーズ⑧】熊本が誇る肥後六花


熊本には、「肥後六花」という名花があります。肥後椿(ひごとつばき)、肥後芍薬(ひごしゃくやく)、肥後花菖蒲(ひごはなしょうぶ)、肥後朝顔(ひごあさがお)、肥後菊(ひごぎく)、肥後山茶花(ひごさざんか)の六名花を肥後六花と言っています。

肥後六花は、肥後六代藩主細川重賢公が武士のたしなみとして奨励したのが始まりと言われています。

江戸の中期、宝暦の頃には、幕藩体制も定着し、戦いから、文化の時代を迎えていました。重賢公は、藩を豊かにするため「宝暦の改革」を推進します。その最初に、「藩校時習館」と「医学校再春館」を開校しますが、合わせて薬園(「蕃慈園」という)を現在の薬園町近くに創設します。

この薬園が、薬草木を集め、研究のセンターになっていきます。多くの藩士が、多種多様な薬草を集め研究するなかで、美しい花に魅せられたものは、草花の改良を重ねながら、永い時間を要して、目指す名花をつくりあげていったのです。

肥後六花の最大の特徴は、肥後の侍がつくった花だと言われています。侍の花づくりは、売ることを目的としていません。自ら良しと思う花を目指して、次々と改良を重ねながら多くの品種をつくり上げていっています。時代の流行とは別に、時間をかけ、納得のいく名花をつくり出しているのです。

肥後六花共通の特徴は、①大輪で一重咲きを基本としている、②花心の大きさ美しさ、③花形、花と茎葉の釣り合いと品位を重視しているのが特徴と言われます。

肥後六花を育てる後継者は、少なくなってはいますが、各名花ごとに研鑽し、270年の伝統と精神を受け継ぎ、毎年、熊本のどこかで披露、展示を行っています。熊本が誇る肥後六花を是非御観賞下さい。