【寄稿シリーズ⑦】地下湧水100%の恩恵


熊本に住んでいる私たちは、当然のように、ミネラルウォーターを水道からいただいています。

熊本の水道水は、100%地下湧水で賄われているのです。熊本市の水道事業は、八景水谷の湧水を水源として、大正13年にスタートしています。熊本市民74万人のほとんどが、この水道事業で守られていることは、全国的にも、あるいは世界的にも稀有なことではないでしょか。

熊本市の年間降水量1,900mmに対し、阿蘇は2,700mm。阿蘇の山々に降った雨は、白川と、一方地下浸透で濾過され、湧水となり、私たち熊本平野に、はかり知れない恩恵を与えてくれるのです。

阿蘇の山々や、阿蘇に連なる山や田畑に降った雨は、やがて熊本各地で湧水の公園や、名水として、多くの人に親しまれているのです。その象徴的な公園が、今年完成から350年を迎えた水前寺成趣園になります。

水前寺成趣園は、寛文11年(1671)に細川3代綱利公によって築庭されました。綱利公は、熊本の水に関心深く、水前寺成趣園のほかにも「八景水谷」、「神水苑」、島崎町の「釣耕園」等の湧水を活かす工夫を行っています。

さらに、阿蘇の白川水源を訪ね、白川水源の守護神である“白川吉見神社”に参拝し、「当社は、余が領地養田の源神で水恩広大である」として、神社神殿の修築と、水源管理徹底を郡代に命じたとされており、その流れは幕末まで続いたと伝えられています。

熊本では、熊本の水を守る多くの団体が活動しています。これらの皆さんの努力を讃え、これからも、水の国くまもとが、末永く守られ栄えることを願ってやみません。